シラミ類

シラミ類 広義のシラミには、吸血性のシラミ目(ANOPLURA)と、鳥獣の羽毛や皮膚を侵すハジラミ目(MALLOPHAGA)とがある。シラミの先祖は原始的なコナチャタテだといわれている。大昔、鳥の巣の中で鳥の分泌物や羽毛を食べていた原始コナチャタテが鳥の体に付着して羽を食べるようになってハジラミが生じ、それが哺乳類に移ってシラミになった。
シラミ目は6つの科に分けられる。主要種をあげると次のようになる。

@ヒトジラミ科(Pediculidae)

人とサルに外部寄生し、眼があり、触角は5節。コロモジラミ、アタマジラミ、ケジラミなど

Aケモノジラミ科(Haematopinidae)

眼は退化しており、頭を胸部にひき込むことができる。ブタジラミ、ウシジラミなど

BHoplopleuridae科

主要な亜科には次のようなものがある。

Pedecininae亜科

Polyplacinae亜料

(イエネズミシラミ、ハツカネズミシラミなど)

Enderleinellinae亜科

(リスジラミなど)

Hoplopleurinae亜科

(ハタネズミシラミ、アカネズミシラミなど)

Hybophthirinae亜科

CLinognathidae料

ウシホソジラミなど

DNeolinognatidae科

EEchinophthiridae科

海にすむ哺乳類に寄生する。

シラミは吸血性昆虫の中で、寄主特異性が最も強く、シラミの分類から哺乳類の類縁関係を推定できるくらいである。ヒトジラミはヒト科以前の人類とともに進化した。 人間にたかって吸血するシラミには、コロモジラミ、アタマジラミ、ケジラミの3つがある。コロモジラミとアタマジラミは近緑で、分類学上、同種別亜種の取り扱いをしている。 シラミによる直接の被害は、吸血されたあとの激しいいやなかゆみである。体質にもよるが、カやノミよりずっとひどくて、特有の色素沈着を起こしたり(コロモジラミでは褐色、ケジラミでは青色)、膿痂疹(のうかしん)ができたりする。

対策法

シラミ駆除剤としてフェノトリン(スミスリン)0.4%を含有する粉剤が市販されている。シラミの寄生している頭髪に7gを、手、はけ、くしなどで十分ゆきわたるように散布する。処理時に、薬剤が目や耳、鼻、口などに入らないように注意する。処理1時間経過後に、水、洗剤などで粉末を除去する。卵には効果がないので、2日おきに3〜4回反復処理すれば完全に駆除できる。必要なら、下着類、寝具にも粉剤を15g/u散布する。卵を除去するには、目の細かいすきぐしでくしとるのが最良の方法。 アタマジラミの伝播場所となる施設の脱衣場、ロッカー、押入れ、ベッドなどには、防疫用殺虫剤(フェニトロチオン、ダイアジノンなど)で残留噴霧を、少なくとも年2回行う。

主な種類

コロモジラミ

アタマジラミ

ケジラミ

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コロモジラミ アタマジラミ ケジラミ

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このページを作成するに当たり、

「原色図鑑
 衛生害虫と衣食住の害虫」

(安富和男・梅谷献二共著
 全国農村教育協会発行)

「都市害虫百科」
(松崎沙和子・武衛和雄共著
 朝倉書店発行)

の内容を引用させて頂きました。