![]() |
![]() |
トコジラミ
学名Pediculus humanus corporis DE GEER 特徴成虫の体長は5〜8mm、翅がなく、扁平、楕円形で赤褐色。頭は小さく触角は細くて5節、口器は細長い吻で吸血に適する。前胸は両側が頭部の方に突出している。脚の腿節、脛節はよく発達し、行動は敏しょうである。 後脚の基部には臭腺が開口し、悪臭を出す。トコジラミは成虫も幼虫も習性は同じで、昼間は壁のすきま、柱の裂け目、床板の間、ベッドの中などのかくれ家に群がってひそみ、夜出てきて吸血する。首すじや手などの露出した部分がねらわれやすい。口吻を刺しかえるらしく、多くの場合、刺しあとが並んで2つ残る。刺されたときはあまり痛くもかゆくもなく、あとでひどくかゆくなるのがこの虫の特徴である。空腹時の扁平の体が、大量の血液を吸うとふくらんで、だるまのようになる。トコジラミは寿命が長く、成虫は1年くらいも生きる。雌は1日に2〜5粒の卵を、前述のかくれ家に産みつける。一生の間には、200個を越える数になる。 ふ化した幼虫は1.3mm、親と似た形で、すぐに吸血をはじめ、1〜3か月の間に5回脱皮して成虫になる。10℃以下の温度ではほとんど発育できないが、耐寒性は強く、また、飢餓にも強くて、20〜30日餌にありつかなくても生存可能である。ハエなどが2〜3日食べないと餓死するのに比べると大変な違いである。 本種は、日本では過去の害虫と考えている人も多いが、実際には局地的な吸血被害がひん発している。 |
害虫ライブラリ・トップページ
トコジラミ ダスキンテック・トップページへ
このページを作成するに当たり、
「原色図鑑 衛生害虫と衣食住の害虫」 (安富和男・梅谷献二共著 全国農村教育協会発行) 「都市害虫百科」 (松崎沙和子・武衛和雄共著 朝倉書店発行) の内容を引用させて頂きました。 |
![]() |